【ボクシング】皇帝ワシル・ロマチェンコ選手と並ぶ世界最速タイ記録となるプロ12戦で世界3級を制覇した田中恒成選手についてまとめてみた
元WBO世界ミニマム級・元WBO世界ライトフライ級・元WBO世界フライ級スーパー王者で井上尚弥と並ぶ日本最速タイ記録となるプロ8戦目での世界2階級制覇し、あの皇帝ワシル・ロマチェンコと並ぶ世界最速タイ記録となるプロ12戦で世界3級制覇王者した田中恒成選手についてまとめていきたいと思います。
プロフィール
本名:田中恒成
通称:中京の怪物・エリート・K.O. Dream Boy
階級:スーパーフライ級
身長:164cm
リーチ:162cm
誕生日:1995年6月15日
出身:岐阜県
スタイル:オーソドックスファイター
所属ジム:SOUL BOX畑中ボクシングジム
戦績
- アマチュアボクシング:51戦46勝(13KO・RSC) 5敗
- プロボクシング:16戦15勝(9KO) 1敗
獲得タイトル
アマ
- 第66回国民体育大会少年の部ライトフライ級優勝
- 平成24年度全国高等学校総合体育大会ライトフライ級優勝
- 第67回国民体育大会少年の部ライトフライ級優勝
- 第24回全国高等学校ボクシング選抜大会ライトフライ級優勝
プロ
- 第17代OPBF東洋太平洋ミニマム級王座(防衛0=返上)
- WBO世界ミニマム級王座(防衛1=返上)
- WBO世界ライトフライ級王座(防衛2=返上)
- WBO世界フライ級王座(防衛3=スーパー王座認定)
- WBO世界フライ級スーパー王座(防衛0=返上)
動画
負け試合にはなりますが非常に見応えのある井岡戦の映像です。
ファイトスタイル
スタイルとしてはオーソドックスのファイターになります。
特徴はやはり右ストレートとボディブローでスピードやテクニックも非常にレベルが高くトータル的に優れておりコンビネーションなども非常に上手な選手です。
しかし、弱点はディフェンス面でタフではあるが打たれることが多く試合が終わった後は顔がよく腫れています。
来歴
アマチュア時代
幼稚園より空手に打ち込み、小5で兄とともに市内のイトカワジムで打撃を学ぶ目的でボクシングを始める。
中京高等学校に進み、元OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者石原英康が部長を務めるボクシング部に所属。
1年で山口国体を優勝すると、2年でインターハイ優勝、国体2連覇、さらに選抜も優勝を果たし、高校4冠。
国際大会でもアジアユースで銀メダル獲得。
3年次のインターハイは3位。
プロ時代
インターハイ後、元WBC世界スーパーバンタム級王者畑中清詞のSOUL BOX畑中ボクシングジムに入門し、2013年9月22日に名古屋国際会議場にてB級プロテストを受験し合格。
10月10日、当時在学していた中京高校で異例となる記者会見を開いた。
11月10日、WBO世界ミニマム級6位のオスカー・レクナファ(インドネシア)相手にプロデビュー、開始1分過ぎにダウンを奪い、3-0の大差判定でデビュー戦を飾った。
この試合の結果、11月度の日本ランキングでライトフライ級10位に入った。
2014年3月16日、WBAミニマム級12位のロネル・フェレーラス(フィリピン)相手にプロ2戦目、3-0の判定でデビュー2連勝。
4月、中京大学経済学部に進学。
7月20日、プロ3戦目として東洋太平洋3位でWBC世界ライトフライ級王者井上尚弥(大橋)のデビュー戦の相手だったクリソン・オマヤオ(フィリピン)と対戦、初回にダウンを奪うと一度は立ち上がった相手を右で攻め、プロ初のKO勝利を挙げ3連勝。
この試合後、東洋太平洋1位にアップした。
最速東洋太平洋王座
10月30日、後楽園ホールにて原隆二(大橋)が持つOPBF東洋太平洋ミニマム級王座に挑み、10回TKOで原と同門の井上や八重樫東らが持っていた5試合を更新する日本男子最短記録となる4試合(女子は当時好川菜々の3試合、現在は松田恵里の2試合)での東洋太平洋王座獲得を果たした。
最速世界王座
2015年5月30日、小牧市スポーツ公園総合体育館にてフリアン・イェドラス(メキシコ)とWBO世界ミニマム級王座決定戦を行い、12回3-0(115-113、2者が117-111)の判定勝ちを収め日本男子最速となるプロ5戦目での世界王座獲得に成功した。
6月14日、WBOの2015年6月度月間MVPに選出された。
2015年12月31日、愛知県体育館でWBO世界ミニマム級4位でWBOアジア太平洋ミニマム級王者のビック・サルダールと対戦し序盤から苦戦を強いられ5回に右ストレートでダウンを奪われるも、次の6回に左ボディブローでダウンを奪い返しそのままカウンテッドアウト。劇的な逆転となる6回2分15秒KO勝ちを収め、初防衛に成功した。
試合後インタビューで2階級制覇を目指すと宣言した。
2016年4月7日、ライトフライ級に転向し2階級制覇を目指す為にWBO世界ミニマム級王座を返上した。
同月4月16日に発表された世界ランキングでは、WBO世界ライトフライ級2位にランクインした。
2016年5月28日、名古屋国際会議場でIBF世界ライトフライ級9位のレネ・パティラノとライトフライ級進出戦となるライトフライ級契約10回戦を行い、6回2分23秒KO勝ちを収めた。
2016年12月31日、岐阜メモリアルセンターで行われた「SOUL FIGHTING」でドニー・ニエテスの王座返上に伴いWBO世界ライトフライ級1位のモイセス・フェンテスとWBO世界ライトフライ級王座決定戦を行い、5回1分52秒TKO勝ちを収め井上尚弥と並ぶ日本最速タイ記録となるプロ8戦目での2階級制覇を達成した。
2017年5月20日、テバオーシャンアリーナでWBO世界ライトフライ級1位でWBOラテンアメリカライトフライ級王者のアンヘル・アコスタと対戦し、12回3-0(117-110×2、116-111)の判定勝ちを収め初防衛に成功した。
2017年9月13日、大阪府立体育会館でWBO世界ライトフライ級13位でWBAアジアライトフライ級王者のパランポン・CPフレッシュマートと対戦し、9回1分27秒TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功したが、試合のダメージは深く両目に眼窩底骨折を負って、WBA同級王者田口良一との年内統一戦のプランは白紙となった。
2017年11月30日、フライ級に転向するためにWBO世界ライトフライ王座を返上した。
2018年3月31日、名古屋国際会議場でWBO世界フライ級13位のロニー・バルドナドとフライ級10回戦を行い、9回2分26秒TKO勝ちを収めフライ級転向戦を白星で飾った。
世界最速三階級王座
2018年9月24日、テバオーシャンアリーナでWBO世界フライ級王者木村翔(青木)と対戦し、12回2-0(116-112、115-113、114-114)の判定勝ちを収め、ワシル・ロマチェンコと並ぶ世界最速タイ記録となるプロ12戦目での3階級制覇を達成した。
2019年3月16日、岐阜メモリアルセンターで「the FATE」と銘打ち、田口良一(ワタナベ)と対戦。
12回3-0の判定勝ちを収め、初防衛に成功した。
2019年8月24日、武田テバオーシャンアリーナでWBO世界フライ級1位のジョナサン・ゴンサレスを相手に防衛戦を行い、ダウンの応酬の末に7回に3度ダウンを奪い、7回2分49秒TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功した。
なお試合前の公開練習で、田中は母校の中京学院大中京高校(当時)が夏の甲子園において、多くの試合で7回に逆転して勝利を収め、ベスト4に進出したことに関連して「序盤は距離をとって…7回ぐらい」と7回にKOを目指すことを話しており、それが実現する形となった。
2019年12月31日、大田区総合体育館でWBO世界フライ級10位のウラン・トロハツを相手に防衛戦を行い、3回に左アッパーでダウンを奪い3回2分29秒KO勝ちを収め、3度目の防衛に成功した。
2020年1月13日、WBOは田中をスーパー王座に認定した。
2020年1月31日付けをもって、王座を返上した。
田中は上下どちらかの階級(田中の場合、フライ級王座を保持していたため、ライトフライ級かスーパーフライ級)の指名挑戦権を得ることができるスーパー王座に認定されていたため、指名挑戦権を獲得することになる。
2020年2月5日、WBOは田中をスーパーフライ級の1位にし、井岡一翔の持つWBO世界スーパーフライ級王座の指名挑戦者として認めると発表した。
井岡戦
2020年12月31日、大田区総合体育館にてWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔と対戦。
試合は序盤から田中が積極的に攻めるも、井岡のガード固く有効打を少なくして主導権を渡さない。
3回までは採点でほぼ互角だったが、5回と6回に戦前から指摘されていた右ストレートの打ち終わりでのガードが下がったところをカウンターからの左フックでダウンを喫し更には8回に左フックでふらついたところでストップ。
8回1分35秒TKO負けを喫し、プロ初黒星。
オスカー・デ・ラ・ホーヤを上回る世界最速となる16戦目での4階級制覇に失敗した。
試合後は「完敗です。こんなに差があるのにびっくりした。」とコメントした。
復帰戦
2021年12月11日、名古屋国際会議場にてIBF世界スーパーフライ級5位の石田匠との復帰戦に臨んだ。
石田のジャブに苦戦するが、3回から距離を詰めてペースを変える。石田に鼻血を流させ、主導権を握った。
2-1(96-94、96-95、94-95)の判定で競り復帰戦を勝利に収めた。
エピソード
- 小学5年生のとき、たまたま近くにイトカワボクシングジムができた。さっそく斉さんが見学に行ったが、2度とも無人で空振り。もう一度だけ、と向かうと、そこに中京高校ボクシング部をみる石原英康さんがいた。当時はまだ学校に道場がなく、普段はイトカワジムで練習していた。兄弟は部員たちと合同トレーニングをするようになり、やがて同校にも通うようになる。その後の活躍はご存知の通り。
- 2歳上の兄・亮明はアマチュアボクシングの選手で、2020年東京五輪フライ級銅メダリスト。妹もいる。フィギュアスケート選手の横井ゆは菜・きな結は従姉妹。
まとめ
今回はあの皇帝ロマチェンコと並ぶプロ12戦目で世界三階級制覇をはたし井岡選手に敗れはしましたが非常に見応えがある試合を見せてくれた田中恒成選手についてまとめてみました。
いずれは世代交代として井岡選手にリベンジで勝利するなどのストーリがあると面白いですね!
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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